平成30年6月  N0.41


 皆様には、ご清栄のこととお喜び申し上げます。
 今回は文化振興策について考えてみたいと思います。
 3月議会でこの問題について市の考えを質したところであります。文化芸術は人の心を豊かにし、癒し、真の意味の人間らしさを確立するという力があり、そこには経済的利益を生み出す、いくつもの要因を有していると思います。本市は他所に誇るべき、くんちなどの伝統文化、和華蘭文化、二つの世界遺産、すぐれた夜景、卓袱料理に代表される食文化、市民のホスピタリティーなど様々な文化資源を複合的に活用し、さらに魅力ある長崎を創っていく、文化芸術の振興、推進は必要だと思います。
 行政が行う自主文化事業は、単なる教養の場としての芸術文化の提供に終わることなく、市民自らが学び、創造し、その活動の広がりの中でまちの活用化にまで寄与することができる事業を質量共に充実した事業を展開しなければならないと思います。
 昨今、行政の文化芸術に対する取り組み方が問われています。
 市民の豊かさの実感が、都市の評価を左右する時代だからこそ、行政の文化施策が問われると思います。
 本市の自主文化事業は「音楽」「演劇・舞踊など」「伝統文化」「美術」の4分野について、芸術鑑賞の機会を提供する「鑑賞型事業」、芸術文化へのきっかけづくりを目的とする「普及啓発型事業」、市民の参加により創り上げていく「参加創造型事業」の三つの形態による事業が展開されています。
 具体的には、鑑賞型事業として、質の高い小劇場型の演劇公演など、普及型事業として、高い演奏技術をもった演奏家が学校や公民館、福祉施設などを訪れて演奏するアウトリーチコンサート、琴や茶道などの文化体験教室、ダンスのワークショップなど、参加型創造事業として、市民が、役者や劇中音楽を演奏する表現する側として舞台に上がり、作品を創り上げる市民参加舞台などを実施しています。
 私は、文化の薫り高い文化振興予算を検証いたしました。
 文化振興事業展開について、質量共に充実した成果を上げるに当たって、必要不可欠なのは、財源だと思います。
 本市の自主文化事業予算は、ここ数年、年間3,000万円で推移いたしております。事業費予算が本市一般会計予算に占める割合が0.015%であります。県下の他都市と比較いたしますと、佐世保市0.03%、大村市0.05%で本市の2〜3倍の規模であります。市民一人当たりに換算いたしますと、年間本市74円、佐世保市136円、大村市217円であります。先にも述べましたように市民の豊かさの実感が、都市の評価を左右する時代になっております。本市が県下他都市並みの文化振興を実施するには少なくとも現在の3倍の9,000万円は必要だと思います。
 まずは財政面からの充実を訴えて参りたいと思います。
 また、県庁舎跡地に公会堂型施設を建設し、賑わいを取り戻し、文化情報発信の場づくりに力を注ぎたいと思います。
 文化の薫り高い長崎を更に磨き上げ、交流人口を増やし、元気な長崎を目指す努力をして参りたいと思っています。



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