平成29年12月  N0.40


 皆様には、ご清栄のこととお喜び申し上げます。今回は、9月議会で質問いたしました、長崎に関する歴史認識の問題について私の考え方を述べたいと思います。
 去る7月26日、韓国内で韓国映画「軍艦島」が上映されました。長崎市の端島を舞台にした映画であります。戦前の炭鉱労働に徴用された朝鮮半島の人の苛酷な労働と強制徴用を取り扱ったものであります。この映画をめぐり、事実を歪曲した反日宣伝であることが判明いたしました。軍艦島は地獄島などとした意見広告も流されました。
 一方、7月27日付、産経新聞にはソウル発の記事で、映像に使われた写真は朝鮮人徴用工ではなく、日本人であり、撮影場所も軍艦島ではなかったことが判明し、映像制作にかかわった韓国の大学教授も誤用を認めたことを報じております。また監督も、この映画はフィクションだと述べております。YouTubeでこの映画の一部を拝見しました。映画をつくるのは勝手ですが、事実を歪曲してはならないと思います。印象が強い映像や写真ではなおさらであります。戦時中の朝鮮人徴用工をめぐりましては、平成27年、軍艦島の世界遺産登録時に反日運動の一環として韓国内で話題とされました。端島は長崎市の所有であります。“うそ”がひとり歩きせぬよう、長崎の名誉にかけて事実に沿った反論を重ねるべきだと思います。
 朝鮮半島出身者の軍艦島での徴用は昭和19年9月から終戦までの期間行われ、端島で終戦を迎えられた方々によりますと、島民はともに遊び、ともに学び、そしてともに働く、衣食住をともにした炭鉱コミュニティーを形成し、一つの家族のようであったと言われており、決して地獄島と表現されるような状況ではなかったと思います。
 一方、韓国のソウルでは8月12日やせ細った男性の姿の「徴用工像」が設置されました。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した、一昨年の日韓合意後も、増殖しつづける慰安婦像と共に、日韓間の和解や友好を妨げるモニュメントとなると思います。どうしてこの期に及んで徴用工なのか、多くの日本人が抱いた偽らざる疑念だと思います。1965年の日韓請求権、経済協力協定において、日本は、当時の韓国の国家予算3.5億ドルに対し、総額8億ドルの経済協力支援を行い、両国間の賠償請求権は、「完全かつ最終的な解決を認めた」と記されています。これにより、韓国は、「漢江の奇跡」と呼ばれる経済復興を果たしました。戦後、補償条約を結んだ国々の中で約束を反故にした国は他になく、韓国の動きに対して、我が国は強く抗議すべきだと思います。
 徴用工問題は、国家間の条約や合意によって全て終わっています。一方的にゴールポスト(終着点)を動かして日本政府や企業に補償を請求するなど国としていかがかと思います。安倍首相が「ゴールポストが動くことは絶対にあり得ない」と断言していますが、当然のことだと思います。
 軍艦島を所有する長崎市は名誉にかけて「端島は地獄島ではない」と強く主張し、歴史認識を是正すべきだと思います。



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