平成28年11月  N0.38


  皆様にはご健勝の事と拝察申し上げます。
 この7月、参議院選挙が施行され、自由民主党が勝利しました。本県でも、金子原二郎氏が当選を果たしました。小生も自民党員としてその責務を果たすことができたと安堵いたしております。ご支援いただいた方々に心からお礼申し上げます。
 憲法論争を避けた選挙で違いを出すのに工夫がいったと思います。ただ経済政策にその違いを見出せたと思います。自民党は「成長と分配の好循環」を掲げ、民進党は「分配と成長を両立」と謳いました。民進党の公約はこの程度のものだったのでしょうか。選挙民は賢明です。民主党の3年間の政権担当能力を熟知しています。また、選挙権が引き下げられ18、19才の約240万人が有権者に加わった初の国政選挙でした。高齢者の割合が4人に1人を超え社会保障では近い将来両肩に重荷が食い込む世代であります。政策の違いに困り、投票行動に頭を悩ませる若者が多かったと思います。
 さて、話は変わりまして、私は9月議会の一般質問で生活保護に関する質問を行いました。
 生活保護は憲法第25条「すべての国民は健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」を根拠として、国と市が生活を保障しています。保護の種類に、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助など8種類があります。
 4年前、高所得の複数のお笑い芸人の親族が生活保護を受給していた事が発覚し、それ以降、生活保護費不正受給に対する国民の目が厳しくなったと思います。
 生活保護費の全てが国民の血税で賄われているという現実を考えると看過できないと思います。長崎市の平成26年度生活保護費は約210億円、国が157億円、本市が53億円負担しています。本市の同年の市税収入が548億で、実に市税の10%が生活保護費に充てられています。同年の生活保護費の不正受給が1億500万円ありました。不正受給の大半が得た所得の無申告となっています。所得の不正受給防止策として、全ての所得が把握できるマイナンバー制度を活用すべきだと思います。
 医療扶助の適正化も必要だと思います。本市の医療扶助は同年度103億円であります。生活保護費の約1/2を占めます。生活保護者の医療費は免除されています。レセプト(医療費の明細書)の一元管理と精査により過剰診療、過剰投薬、重複診療を適正化すべきだと思います。ジェネリック薬品の徹底した推奨も適正化の為に必要だと思います。保護から抜け出す為の就労支援を厚く実施すべきです。また、保護世帯で育った子供が大人になった時に再び生活保護を受けるケースが厚労省の調査で50%にも及ぶと聞きます。負の連鎖を防ぐために、保護世帯の子供たちに対する次世代支援に力を注ぐことが重要だと思います。
 生活保護制度に対する国民・市民の不公平感、不信感は頂点に達している感があります。
 それを払拭し、「本当に困っている人」にはしっかり給付され、「ズルもらい不正受給」がなくなるよう、いわゆるモラルハザードがなくなるように行政は生活保護費支給の適正化に向け着実に実績を上げていただきたいと思います。



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