N0.26



 後援会の皆様には清々しく新年をお迎えになられたこととお喜び申し上げます。
 私も市議会議長として一年半を経過し、その重責を大過なく務めさせていただいております。
 これもひとえに後援会の皆様の暖かいお力添えのおかげと心から感謝申し上げます。
 昨年九月の米国リーマン・ショック以来、世界経済に大激震が発生いたしました。 これを契機に欧米での販売不振が深刻化し、輸出に多くを依存する我が国、自動車IT関連企業が直撃を受け、相次いで減産、人員削減、設備増設の見送りなどに踏切り、これ等企業産業の失速が下請企業や、原材料産業へ波及して全産業に影響しています。
 雇用不安と先行きが見えない景況感に国民はますます節約指向を高めており、経済全体の低迷はしばらく続くようであります。
 このような状況の下で政治や行政の果す役割、安全安心のセイフティーネットワーク確立が大であると考えます。
 政府は五兆円の生活支援を含む経済対策を実施し全力で取組んでいます。 本市も国の施策に伴う予算化や市独自の対策で十二月定例議会の冒頭、総額六億七千百七十万円の緊急経済対策の補正予算を即日可決し、年末の資金需要に対応するため、早期の予算措置を図りました。
 今後もなお一層生活支援策の推進に努めてまいります。
 田上市政がまもなく一期目の折り返し点を迎えます。 従来の枠に当てはまらない、既成の政治家らしくない行政手腕、意志決定に注目します。 市長のこれまでの政治信念を貫くことを期待します。
 市長は2008年度施政方針で現在を変革の時代と位置づけ、前例にとらわれない柔軟な発想で諸課題に対処することと、長崎の個性をより一層明確にし、魅力を高めることが大切という都市基本理念を示しています。
 2009年度の国の予算に新幹線長崎駅整備費が計上され、長崎駅周辺の整備等の方向が示され、被爆体験者援護費も国が認定し、約2000名の方の救済が可能となり、数年にわたる懸念事項の解決は田上市政にとり大きな前進だと思います。
 次に旧市街地まちなかは古くから長崎のまちの中心であり、人々の生活の拠点であり、長崎の文化的個性を支え続けてきた重要な地域であります。 これからまちなか再生をどう施策に反映するのか大きな課題であります。 市長の指導力に期待します。
 新市民病院建設は突然の県知事の申入れで大きな課題が課せられました。 新市民病院が提供する医療の内容は、県市両方とも高度、急性期医療や救急医療を目指しており、高機能病院としての性格を有するもので大差はなく、県と市の違いは、県の計画では、規模は600床程度と市より150床大きく、また建設場所は現在地での建替が長崎駅裏となっており、さらに運営方式は日本赤十字社長崎原爆病院を指定管理者とするなど長崎市の公設公営に対し、公設民営となっているところに大きな違いがあります。 市はプロジェクトチームを結成し、県より示された運用に要する費用の一部負担、駅裏用地取得についての具体的な内容、新市立病院は平成25年度までに開院するという基本原則の確認等をさまざまな角度から課題を抽出し検証する方針です。
 これまで数年にわたり精査し、検討を重ね現在地での建替を進めてきた市の関係者の努力を多とします。
 2月議会までに結論を出すという市長の政治決断に注目します。
 これからも議会の代表として長崎市がかかえる諸課題の解決に向けて、是々非々の立場より責任ある行動発言の下、田上市政を見守ってまいります。
 最後に会員皆さまのこの一年のご健勝を心から祈念申し上げます。



十二月定例議会終る

 市議会は12月12日本会議を開き、2010年放送予定のNHK大河ドラマ「龍馬伝」に向けた新たな観光整備事業費やゴミのポイ捨てや喫煙を規制する条例改正案など33議案や約14億5000万円一般会計補正予算を議決した。
 県が長崎原爆病院との統合を求めている市立市民病院について、同病院と市立成人病センターを統合する新市立病院の運営計画策定委託費など1億3000万円を2010年度までの費用として承認した。 田上市長は金子知事からの提案について「二月議会までに検討結果を報告したい」と述べた。




「龍馬伝」関連整備5150万円

 市議会は、坂本龍馬ゆかりの亀山社中跡の建物改修費や、来年四月から始まる「長崎さるく幕末編」のコース沿いに案内板を設置する整備費など計5150万円を盛り込んだ補正予算案を承認した。 NHKの2010年大河ドラマ「龍馬伝」に向けて盛り上げを図る狙い。 ドラマの主人公、坂本龍馬役には本市出身の歌手で俳優の福山雅治さんが決まっており市文化観光部は「大いに盛り上げたい」としている。
 市によると、亀山社中跡の建物は1808年に建てられ、痛みがひどく本年度分として1150万円、来年度も1750万円かけて整備する方針。 来年、1月から予定されている「龍馬伝」の長崎ロケに間にあうように整備を進める。また「長崎さるく幕末編」の事業費として4000万円を計上し、龍馬が初めて長崎訪問時に宿泊したとされる寺など10ヶ所に案内板を設置する。
 また「帆船まつり」の開幕に合わせて外国人居留地があった南山手地区などで幕末をテーマにしたイベントも開催する。



地区指定 ポイ捨てや路上喫煙禁止へ

 議会は路上でのゴミのポイ捨てや歩きたばこを禁止し、禁止区域内で違反すれば過料を科す条例改正を12月議会で議決した。
 4月からスタート。 まずは世界遺産登録を目指している「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の施設周辺や出島商館跡などの文化財施設を禁止区域に指定。 十月から浜町など商店街にも拡大する予定。 市長が禁止区域を指定、二万円以下の過料を科すことを明記。 実際の過料額は他都市の事例をみながら千円〜二千円とする見通し。 罰則適用後は実際に徴収を始める。



次回から議員定数40

 長崎市議会の課題について検討する。 吉原孝議長の私的諮問機関、議会制度改革推進会議は11月28日中間答申を提出した。
 そのうち議員定数については、合併特例に伴う現在の51が次回の選挙から「40との意見が多数」とした。
 答申を受け取った吉原孝議長は12月12日の議会運営委員会に次回選挙から議員定数を40にすることを提案し了承を得た。 3月定例議会に定数の条例改正案を提出する。
 また、常任委員会の国内視察旅費についても同会議の答申どおり、現行の一人当り年36万円から11万円減の25万円とする案を提案。了承され、21年度から実施される。
 なお定数削減により約1億5000万円の削減となり、旅費の減額により560万円の節減となる。 厳しい財政状況を踏まえ財政改革の一助となるものと確信する。



オバマ氏に来崎要望
姉妹都市のセントポール市長に託す

 田上市長と吉原孝議長は連名で11月20日、バラク・オバマ次期米大統領にあてた新書を、本市を親善訪問中のセントポール市のクリス・コールマン市長に託した。 長崎市とセントポール市は姉妹都市の関係。
 親善はオバマ氏の「核兵器のない世界」を目指すとした政策目標を掲げていることに対する共感を伝え、被爆地長崎への訪問と核兵器廃絶に向けて力を尽くして欲しいとの願いをつづった。
 コールマン市長は「オバマ氏には(今年、国内外から首長が集まり長崎で開催される)平和市長会議に参加してもらえばと思っている。大統領就任式で手渡したい。」と述べた。



新幹線長崎延伸へ

 政府・与党は12月16日、整備新幹線の作業部会を開き、着工が未だ決まっていない長崎ルートの諫早−長崎の長崎駅舎について2009年度中に着工を認可することで正式合意した。 合意通り認可されれば2009年度中に事業に着手し、おおむね10年後に完成する見通しとなった。
 これにより九州新幹線鹿児島ルートと同様に、駅舎を建設し、終着点が予算化されることにより新幹線が最終的に長崎まで来ることが確約され、県と市で進められる連続立体交差事業及び駅部区画整理事業と一帯で進められることとなり、その意義は大きいと云える。 なお駅舎整備費は約100億と云われている。



政治アラカルト

 日本列島に雇用破壊の嵐が吹き荒れています。 雇用破壊が起こっている原因は製造業全従業員の1/3を占める派遣社員や期間従業員が中心となっています。 暮しの糧としてきた仕事を打ち切られた人たちを救済するのは政治の仕事であるのに動きが鈍いと思います。「こんな時に政治は一体何をやっているんだ」と思われる人は多いと思います。
 早く雇用対策を盛り込んだ二次補正予算を実行に移して支援して欲しいと思います。
 2009年度予算に国は雇用創出などの名目で地方交付税の積み増しをしましたが、公共事業を誘導するのではなく公営住宅の活用や失業者救済、校舎の耐震補強など将来に生きる投資で地域の実情に応じて多様であるべきだと思います。当面の雇用対策に加え、労働者派遣法を抜本的に見直すことも緊急の課題だと思います。
 製造業において、もの造りの現場で正社員から派遣への切替えが進んだのは2004年の派遣法改正によるといわれています。
 不況となれば非正規社員は、真っ先に解雇され、ポイと捨てられる「使い捨て」労働者だったことが、誰の目にも明らかになりました。産業界の富の再配分の均衡を図る上でも労働者派遣法の早急な見直しを求めたいと思います。



本市の玄関口再開発始動

 県都市計画審議会は去る11月19日開催され、JR長崎本線の長崎駅−浦上駅附近を高架形式にする連続立体交差事業(約2.4km)計画を承認した。2008年度中に都市計画決定の見込み。 長崎市が実施計画の長崎駅周辺土地区画整理事業と合わせ、本市の玄関口の再開発が動き出すことになる。 連続立体交差事業は鉄道を高架化し、四つの踏切りを廃止する。 踏切りに伴う交通渋滞、踏切事故を解消し、分断されている両地域の一体化が促進され、長崎、浦上両駅共に高架化される。
 長崎駅は現在地より西側「浦上川方面」へ約150m移動する。 事業期間は約15年見込んでいて、事業費は約400億円。 市の負担は約100億円。
 関連する長崎駅周辺土地区画整理事業では、新駅の両側に広場を設け、バス・タクシー・自家用車の乗降場、駐車場を設ける計画。 多目的広場も設ける他、駅舎が移動するため、路面電車を構内に引き込むトランシットモール線も整備する。
 両事業は九州新幹線長崎ルートと関連しており、新幹線駅舎と在来線駅舎の整備で新たな玄関口を形成する。 今回の新幹線駅舎整備工事着工認可により、土地区画整理事業が一気に加速されることになる。 なお土地区画整理事業費約170億円、駅舎整備費約100億円となる。
 県より近隣事業計画として県庁舎新築移転を魚市跡地の埋立地に、新市民病院建設を駅部土地区画整理事業区域内の西口広場附近、現住宅展示場にとの提案がなされている。
 県庁舎については、懇話会で魚市跡地で合意し、2008年度内に提示を予定しているという事である。
 県庁舎整備計画を考える会が提案している現庁舎の耐震化リニューアル、同隣接地建替案を検討する必要を訴えている。 理由として県庁舎移転により商業施設出店による影響を受けている従来のまちなかを、より一層空洞化し、長崎の歴史・文化、まちの重心を動かす必要があるのか、県は財政構造改革に取り組み、財政状況が悪い中で巨額を投じる移転が必要なのか、道州制による規模縮小を考慮に入れるべきではないのか。
 県庁舎が防災拠点としての施設であるならば強い地盤の現在地から埋め立て地への移転は理解ができない等である。
 万一、移転決定されるとしたなら、跡地活用策を移転決定と同時に県市一体となり旧市街地のまちづくり、まちなか活性化を、地域住民、関係団体の合意を得て責任ある決定を行なうべきである。 今後の県議会県庁舎整備特別委員会での議論を注目したい。





編集後記

 吉原孝だより26号は如何でしたか? 吉原孝が議長職にあり、多忙を理由に、後援会だよりのお届けが遅くなり大変申し訳なく思っています。 今回の会報の発行は、長崎市のまちづくりで、これから10年先を見据えて、今、非常に大事な時との強い認識を示したかったからであります。
 原稿を出稿した後、国土交通省は長崎市の中央部臨海地域の再整備を「都市再生総合整備事業」として指定いたしました。 これにより、長崎市のまちづくりに優先的に国の予算が配分されたり、新たな補助が受けられたりします。 大変な朗報だと思います。 この制度を有効に活用し、一気にまちづくりが進められると期待します。




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